「もう無理だ」と思っていても、職場を辞めることを自分から言い出すのって、本当に勇気がいりますよね。
周りの目、上司の反応、今後の生活……いろんな不安が重なって、身動きが取れなくなることもあると思います。
今回ご紹介する竹内理香さん（仮名）は、まさにそんな状態から退職代行を利用して、自分を守る決断をした方です。
あのとき「逃げた」のではなく「生きるために行動した」と語る彼女の体験談を通して、選択肢のひとつとして“退職代行”を知ってもらえたらと思います。
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竹内さんのプロフィール
―今日はよろしくお願いします。まずは当時のお仕事について教えていただけますか？
「よろしくお願いします。私は現在33歳で、退職代行を利用したのは30歳のときです。当時は広告代理店で営業事務をしていて、クライアントとのやり取り、資料作成、イベント準備などを担当していました」
―業務量はかなり多かったですか？
「はい。とにかく忙しくて、毎月の残業時間が40〜60時間。繁忙期は100時間を超えることもありました。休日も家でPCを開いて仕事するのが当たり前で、“休み”という感覚はほとんどなかったですね」
限界に近づいていた日々の働き方
―そこまで追い込まれるまで、何が一番つらかったですか？
「人間関係もきつかったです。直属の上司が常にピリピリしていて、メールの文面一つで怒鳴られたり、会議中に急に名前を出して叱責されたり……。『こんな仕事もできないの？』って言葉が日常的に飛んでました」
―身体にも変化がありましたか？
「ありました。寝付きが悪くなったり、電車に乗ると動悸がしたり。朝起きると涙が出て止まらなくて、“会社に行きたくない”というより“もうどこにも行きたくない”という気持ちでした。けど、“辞めます”って言葉は出てこなかったんです」
自分から辞めたいと言えなかった理由
―どうして言い出せなかったんでしょう？
「まず、“甘えてると思われるのが怖い”というのが大きかったです。みんな忙しい中で頑張ってるし、辞めるって言ったら『逃げた』と思われそうで……。あと、上司に話しかけること自体がストレスで、タイミングを計っているうちに、どんどん気持ちが沈んでいきました」
―相談できる人はいましたか？
「同期に少し話したことはありますが、『理香が辞めたら現場回らなくなるよ』って言われてしまって、そこで話すのをやめました。“自分のせいで現場が混乱したらどうしよう”と自分を責めるようになってしまって」
退職代行にすがるように相談した日
―退職代行を知ったきっかけは？
「夜、眠れなくてスマホを見てた時に、Googleで“退職 言えない 苦しい”って検索したら、退職代行の広告が出てきたんです。“本当に辞めさせてくれるのかな？”って半信半疑でサイトを見たら、実際に利用した人の体験談が載っていて、それが自分と重なって涙が出ました」
―すぐに相談されたんですか？
「はい、翌朝LINEで相談を送りました。正直、そのときは精神的にもギリギリで、“今お願いしないと壊れる”という感覚でした。返信はとても丁寧で、『大丈夫です。私たちが責任をもって対応します』という言葉に、初めて少しだけ息ができた気がしました」
実際のやり取りと退職までのスピード感
―実際に退職まではどんな流れでしたか？
「手続きはとてもスムーズでした。自分の勤務先や希望退職日などを伝えたら、すぐに退職代行の方が会社に連絡してくれて、私は出社しなくてよくなりました。制服や書類は郵送で返却して、会社からの連絡は一切来ませんでした」
―会社の反応はどうでしたか？
「直接はわかりませんが、“本人の希望により直接のやり取りは控えたい”ときっぱり伝えてくれたようで、変な引き止めもなかったです。誰にも謝る必要もなく、誰にも責められることもなく、ただ退職が完了していきました」
辞めた後の心の変化と新しい生活
―退職してから気持ちにどんな変化がありましたか？
「まず、“朝が怖くない”ということに驚きました。目が覚めて、“ああ、今日は行かなくていいんだ”と思ったときに、心から安心しました。ごはんも食べられるようになって、夜も眠れるようになって。普通の生活を取り戻していく感覚でした」
―今はどんな働き方をされていますか？
「今は在宅でできる仕事をしながら、少しずつ外に出る機会を増やしています。以前のような無理な働き方はもうしないと決めています。自分のペースで、自分の心と相談しながら働ける場所を見つけられたのが一番の収穫です」
まとめ
竹内さんのように、「もう限界だけど、辞めるって言えない」と悩んでいる人は決して少なくありません。
退職代行は、そうした声を受け止め、必要なサポートを届けてくれる存在です。自分を守るための選択肢として、“誰かに頼る”ことを悪いことだと思わないでください。
勇気が出なくても大丈夫です。
今の自分が苦しんでいるなら、それだけで相談する理由は十分です。
