退職代行サービスという言葉を聞いたとき、最初に頭に浮かぶのが「え、そんな辞め方ってアリなの?」「法律的に大丈夫なのかな?」という疑問ではないでしょうか。
便利そうに見えるけど、逆に「後で訴えられたりしない?」「会社に迷惑かかって違法になるんじゃ…」という不安がよぎる方も多いと思います。
そうした声は実際にSNSや掲示板でも多く見られ、「違法だと思って諦めた」「本当は使いたかったけど法律が怖くて踏み出せなかった」といった投稿も目にします。
そこで今回は、そうした疑問に真正面からお答えしていきます。
法律的な仕組みをわかりやすくかみ砕いて、「違法かどうか」を自分で判断できるように情報を整理していきますので、難しい法律用語は避けながら進めていきますね。
結論から言うと、退職代行は違法なサービスではありません。
ただし、一部の業者が違法なことをしてしまうケースがあるのは事実です。

ですので、「サービス自体に問題があるか?」ではなく、「どんな内容ならOKで、どこからがNGなのか」をしっかり知っておく必要があります。
「違法なのでは?」という不安が出る理由
まず、この「退職代行=違法かも」という疑念が生まれる理由は、大きく分けて3つあります。
1つ目は、会社に“無断で”辞めるようなイメージを持たれがちなことです。
退職代行を使う=本人が直接何も言わずにいきなり辞める、という印象があるので、「それって勝手すぎて問題になるんじゃ?」という感覚に結びつきやすいんですね。
2つ目は、ネット上で“違法な業者”の話がちらほら出回っていること。
「代行を頼んだら後から連絡が取れなくなった」「有給の交渉してくれるって言ってたのにダメだった」などのトラブル報告を見ると、「やっぱり危ないのかも」と不安になります。
そして3つ目が、「非弁行為」という専門用語の存在です。
これは、弁護士資格がない人が“法律に関する交渉”をしてしまうとアウトになるというルールで、退職代行業者の一部がここに引っかかる可能性があるため、「やっぱり違法では?」という声につながっているんですね。
ただ、これらの理由は「すべての退職代行が違法」という意味ではありません。

ルールを守って適切に対応している業者ならまったく問題ないというのが本来の姿なんです。
なぜ退職代行と“法律”がセットで語られるのか
退職代行が他のサービスと違うのは、「人の人生や権利」に関わる内容だからです。
たとえば宅配代行や家事代行などと違って、退職代行は“労働契約の終了”に関係してくるので、法律の知識や判断が求められる場面がどうしても出てきます。
さらに「雇用契約の終了=トラブルの元」になることも多く、会社側が「そんな辞め方は認めない」と言ってきたり、「訴えるぞ」と脅してきたりする例もあるんですね。
こうなると「法的にどうなのか」が話題にならざるを得ません。
また、SNSやニュースでも話題性がある分、「退職代行 違法」「退職代行 トラブル」などの検索が多くなり、検索結果にも“危険そうな記事”が目立ちやすいです。
そのため、「退職代行って法律的にグレーなのかな?」というイメージが強くなってしまっているのが現状です。
ですが、実際には日本の法律(民法627条など)で「労働者は自由に辞めていい」と明記されています。
つまり、「辞める権利」を他人が“代わりに伝える”こと自体は、合法なんです。
違法になるのは、その権限を超えて「会社と交渉」してしまったときだけ。

なので、そこをきちんと区別している業者を選べば、全く問題なく使えるというわけです。

退職代行の基本的な仕組みと法律の関係
退職代行サービスって聞くと、「本当にこんな形で辞められるの?」と疑問に思うのが普通だと思います。
でも実は、しっかりと法律の土台に基づいて運営されているサービスがほとんどなんです。
ただし、どの業者も同じというわけではなく、運営形態や対応範囲によって“合法かどうか”が分かれてくるのが重要なポイントです。

ここでは、退職代行の基本構造と法的な仕組みをわかりやすく深く解説していきます。
労働者が辞める自由は法律で認められている
まず大前提として、日本の法律では「辞めたいときに辞める自由」が、しっかり保障されています。
これを定めているのが民法627条です。
民法第627条第1項
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れができる」
つまり、正社員であってもパートであっても、「辞めます」と意思表示をすれば、原則として2週間後には退職できるというルールになっています。
これは裁判所の判例でも何度も確認されていて、会社が「辞めさせない」と言っても、法律上は無効になります。
つまり、退職そのものは「会社の許可が必要なものではなく、個人の意思で決めていい」ものなんですね。

そしてその意思を、自分ではなく“誰かが代わりに伝える”こと自体に法律上の問題はないということになります。
民間業者と弁護士の違いを法律的に整理すると?
次に気になるのが、「民間業者と弁護士の違いって何?」という部分ですよね。
ここがもっとも誤解が多いところですが、実は法律の世界ではしっかりと区別されています。
【民間業者(一般法人)】
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できること:退職の意思を「伝える」だけ
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できないこと:会社と有給の交渉、残業代請求など「交渉」
【弁護士】
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できること:退職手続き全般+金銭の交渉・訴訟までOK
-
費用は高めだが、法的トラブルにも強い
この違いのカギになるのが、「非弁行為(ひべんこうい)」というルールです。
これは、弁護士資格がない人が法律に関する“交渉”をすると違法になるという決まりで、弁護士法72条で明記されています。
たとえば、「未払いの給料を払ってほしい」「有給を全部消化したいから交渉して」といった要望に、民間の退職代行が対応してしまうと、非弁行為=違法行為になってしまうわけです。
つまり、民間業者に依頼する場合は「代わりに退職の意思を伝えてもらう」だけなら合法、交渉やトラブル処理まで頼むなら弁護士じゃないと違法になる可能性がある、という整理になります。
労働組合による退職代行は合法?その根拠とは
ここで注目されているのが、「労働組合による退職代行サービス」です。
たとえば「退職代行SARABA」「退職代行Jobs」などがこの形を取っており、民間業者とは違って“交渉権”が認められるのが特徴です。
なぜかというと、労働組合には憲法28条や労働組合法で、「団体交渉権」という権利が保障されているからです。
これは、組合に加入している労働者のために、企業と条件交渉をすることが法律で許されているという仕組みです。
つまり、労働組合と提携している退職代行サービスは、
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有給の取得を交渉してくれる
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退職日を調整してくれる
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必要書類の送付について企業に要望を伝えられる
などの対応が合法的にできるという強みがあります。
弁護士ではないけど、法律の枠組みの中で「交渉」ができる唯一の存在とも言えますね。

ただし注意点として、「労働組合の組合員になる必要がある」点や、「労働者本人の意思確認が必要」などの手続きがある場合もあるので、事前に公式サイトなどで確認しておきましょう。
法律知識なしで退職代行を使っても大丈夫?という素朴な疑問に答えます
「弁護士とか、労働組合とか、正直むずかしい…」という方もいらっしゃると思います。
結論からお伝えすると、専門知識がなくても退職代行は使えます。
というのも、信頼できる業者を選びさえすれば、法律的にアウトな部分に触れないように対応してくれるからです。
たとえば、
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「これは交渉にあたるので、対応できません」と明確に説明してくれる
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「こういう状況なら弁護士型の方が向いてますよ」と他サービスを紹介してくれる
-
「非弁行為にならないよう、慎重にやり取りを進めます」と細やかな対応をしてくれる
こういった業者は、利用者が法律に詳しくなくても、安心して任せられる体制が整っています。
逆に、聞いてもいないのに「うちは全部対応できますよ!」などと言ってくる業者はちょっと注意した方が良いです。
また、LINE相談が主流になっている今、「この言い方で会社に伝えますが大丈夫ですか?」と確認しながら進めてくれる業者も増えてきています。

なので、「自分が知らないことで失敗しそう…」という不安を感じているなら、まずは無料相談で“説明の丁寧さ”をチェックしてみるのがおすすめです。

「非弁行為」とは?違法になるケースとその見分け方
ここでは、退職代行サービスを利用する上で絶対に知っておきたい「非弁行為(ひべんこうい)」について解説します。
この言葉は聞き慣れないかもしれませんが、退職代行が「違法かも」と言われる最大の理由がここにあります。
選ぶ業者を間違えると、知らないうちにトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあるので、このパートはとても重要です。
逆に言えば、「どこまでが合法で、どこからが違法になるか」を理解しておけば、安心して退職代行を使うことができます。

複雑なようで、実はそこまで難しくありませんので、一緒に整理していきましょう。
弁護士資格がないとできない行為とは何か
まず、「非弁行為」って何?というところからですが、これは「弁護士じゃないのに、弁護士しかできない仕事をやってしまう行為」のことを指します。
法律では、弁護士以外の人が報酬を得て“法律事務”を行うのは禁止されています(弁護士法第72条)。
じゃあ、具体的にどんな行為が法律事務になるかというと…
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未払い給料や残業代の請求交渉
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有給取得に関する調整・交渉
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退職日を会社と交渉して調整
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ハラスメントの被害に対する慰謝料請求
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内容証明郵便を使った法的な要求書の送付
これらはすべて、「交渉」が関わってくるため、弁護士でなければできない行為になります。
つまり、退職代行業者がこのラインを超えてしまうと、非弁行為=違法行為になってしまうというわけです。
一方で、退職の「意思」を代わりに伝えるだけなら違法にはなりません。
「○○さんは退職する意思を固めていますので、本日付での退職手続きをお願いします」といった連絡は、弁護士資格がなくても合法の範囲内で可能です。
退職代行業者が違法行為に当たる具体例
ここからは、どんな場面で非弁行為に該当してしまうのか、実際によくある例を紹介します。
NG例①:「有給を全部消化してから辞めさせてください」
このように代行業者が“有給取得を交渉する”場合、弁護士資格がなければアウトです。
本人に代わって交渉してしまうと、それだけで非弁行為に該当してしまいます。
NG例②:「会社に慰謝料を請求したいんですが…」
残業代やハラスメントに関するお金の話を代行業者が進めようとすると、それもNGです。
金銭が絡む交渉はすべて弁護士の範囲になります。
NG例③:「会社に出向いて直接話をしてくれる」
そもそも、退職代行が会社に出向く必要はありませんし、そこで担当者と交渉のようなやりとりを行った時点でアウトです。
交渉=非弁行為、という構造は非常に明確です。
安全な代行業者なら、「それは弁護士の領域なので対応できません」とはっきり言ってくれるはずです。

逆に、「なんでも対応できますよ!交渉もバッチリやります!」という業者は要注意です。
実際に起きた“非弁行為トラブル”とその結末
退職代行業界では、過去に非弁行為による摘発や、業者が炎上した事例もいくつかあります。
たとえば、2020年には、東京都内の業者が「未払い給料を取り返します」と広告していたことで、弁護士会から警告を受けたケースが報道されています。
さらに、「弁護士監修」とうたいながら、実際には弁護士が関与していなかったケースもありました。
利用者が内容証明を送ったあと、会社から「これは無効です」と突き返され、結果的に労働審判にまで発展した…という事例もあります。
このように、最初は良かれと思って利用しても、業者の知識不足や対応ミスで事態がこじれるケースもあるんですね。

そのため、業者選びの際は「弁護士が運営しているのか」「弁護士と連携しているのか」「労働組合との提携があるか」など、合法である根拠を明確に示しているかを必ずチェックすることが重要です。
「違法業者に騙された」ユーザーの体験談まとめ
掲示板やX(旧Twitter)には、違法業者に依頼してしまったユーザーの投稿も少なくありません。
「最初はすごく親切に見えたけど、有給交渉をしてくれるって言ってたのに会社とモメた。調べたら非弁行為にあたるって知ってゾッとした…」
「“全部対応できます”って言われたから安心して任せたら、書類も出してくれず音信不通。後で弁護士に相談したら違法業者だったみたい」
「サイトに『弁護士監修』って書いてあったのに、実際に相談したら“監修だけで直接関わっていません”って言われた…」
こうした体験談からも、「非弁行為」に関して無知なまま利用するのはリスクが高いことがわかります。
そして多くの人が、「最初にちゃんと調べておけばよかった」と後悔しているのも印象的です。
ですので、SNSや掲示板でのリアルな声も情報収集に役立てて下さい。

公式サイトの見た目や価格だけで決めるのではなく、「違法性に踏み込んでいないか」「安心して任せられる体制か」を必ずチェックしましょう。

正しく運営されている退職代行サービスの特徴
ここまで読んで下さった方なら、すでに「退職代行にも合法・違法の違いがある」という点はなんとなく理解できたと思います。
ですが、じゃあ実際にどこまでが“安全”で、どういう業者なら安心して利用できるのか…その判断は意外と難しいですよね。

ここでは、法律にのっとってきちんと運営されているサービスの共通点や、選ぶときのチェックポイントについて詳しく整理していきます。
弁護士が直接対応している業者の安心ポイント
まず、最も確実な選択肢が「弁護士が運営している退職代行サービス」です。
こういったサービスは「弁護士法人○○」という名前で運営されていることが多く、公式サイトにしっかり「運営者:弁護士○○」「登録番号あり」などの記載があるはずです。
弁護士が直接対応する場合の強みは以下の通りです。
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有給取得や退職日の交渉が合法的に可能
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未払い給与や残業代などの請求も対応できる
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法的トラブルになった際、裁判所とのやりとりも可能
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内容証明郵便や通知書などの法的文書も自分で作成できる
「もしトラブルになったらどうしよう…」という不安が強い方や、「ブラック企業でモメそう」と感じている方は、最初から弁護士型を選ぶのが確実です。

費用はやや高めで、一般的に5万円〜10万円前後が相場ですが、「絶対に法的に安心して進めたい」という方にはおすすめです。
労働組合の支援を受けた民間代行の強み
もう一つの“安心ルート”が、「労働組合と連携している退職代行サービス」です。
これは弁護士ではありませんが、労働組合法に基づく“団体交渉権”という強力な法的権限を持っているのがポイントです。
たとえば、「退職代行SARABA」や「EXIT」などがこの形式を取っており、労働組合の組合員として一時的に加入することで、
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会社と退職日の調整が可能
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有給取得についても交渉できる
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会社側が交渉を拒否できない法的根拠がある
といった対応が可能になります。
料金は弁護士型より安く、相場は2万円〜3万円台が多いです。

弁護士ではないので金銭請求までは対応できませんが、「辞めたい」「会社と話したくない」「有給だけちゃんと使いたい」といったニーズにはぴったりです。
違法にならない「代行の範囲」とは?具体例で解説
ここで改めて、「違法じゃない代行の範囲ってどこまで?」という点を明確にしておきます。
以下のような対応は、弁護士資格がなくても合法です。
◎合法な代行の範囲
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「退職します」という本人の意思を会社に伝える
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会社の人事部や上司への連絡(電話・メール・書面)
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退職届の提出を代行してもらう
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会社からの書類(離職票や源泉徴収票など)を郵送で依頼する
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本人の希望内容をそのまま伝える(例:退職日は2週間後)
これに対して、以下のような行為はNGラインを超える=非弁行為となります。
×非弁行為にあたる違法例
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「有給を全日取得させて下さい」と代行業者が会社に要求する
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「辞めたあと慰謝料を請求します」と業者が言う
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会社側からの要求(例:引き継ぎ要請)に対し交渉して断る

つまり、「伝える=OK」「交渉する=NG」このラインを明確に意識している業者かどうかが、信頼性を判断する大きな基準になります。
「安い業者ほど危ない」は本当か?料金と違法性の相関に関する考察
ネットを見ていると、「料金が安い=怪しい業者では?」という声をよく見かけますよね。
結論としては、「安さ=危険」と一概には言えませんが、極端に安い場合は注意が必要です。
たとえば、1万円以下で退職代行をうたう業者は、
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運営元が不明(登記されていない)
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サイトに代表者の情報がない
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LINE対応が遅い or 返事がない
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契約書や利用規約が存在しない
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トラブル時の連絡手段がない
といったケースが実際に報告されています。
価格が安い理由は、人件費を抑えていたり、対応の質を下げていたりする可能性もあるんですね。
また、知識のないスタッフが非弁行為をしてしまい、「その発言アウトでは?」という状況も起きやすいです。
もちろん、2万円台でもしっかり運営されている安心な業者もありますので、「価格だけで選ばず、運営実態と対応品質を見極める」ことが大切です。

口コミやSNSでのリアルな声、代表者名、法人番号、監修者の情報などを総合的にチェックして判断しましょう。
➡️ 詳しくはこちら
よくある法律的な不安を1つずつ整理してみる
退職代行を使おうか迷っている方の中には、「違法じゃないって聞いても、やっぱり怖い」「損害賠償とかされたらどうしよう」といった法律面での不安がなかなか消えない方も多いと思います。
実際にX(旧Twitter)や掲示板でも「辞めたら訴えられるって言われた」「内容証明が届いたけど大丈夫?」などの書き込みがあり、不安を抱える人が少なくないことがわかります。
ここでは、そんな不安を一つずつ丁寧に整理して、どこまでが事実で、どこからが誤解なのかをハッキリさせていきます。

さらに、筆者自身が抱えた「見えない不安」の正体についても正直に書いていきます。
「損害賠償されることってあるの?」への明確な答え
まず一番よくある質問がこれです。
「退職代行を使ったら会社に損害を与えたって言われて、訴えられるんじゃないの?」という不安ですね。
結論から言うと、ほとんどのケースで損害賠償が発生することはありません。
なぜなら、前章でも触れた通り、日本の法律では労働者に「退職する自由」が認められているからです(民法627条など)。
つまり、「辞めたこと自体に損害賠償を求めるのは無理筋」なんです。
これは、弁護士ドットコムや厚生労働省の労働相談でも繰り返し解説されている内容です。
ただし、会社側が“脅し文句”として「損害賠償を請求するぞ」と言ってくるケースはあります。
ですが、それはあくまで“感情的な言いがかり”であって、裁判になっても会社側が勝てる可能性は極めて低いのが実情です。

逆に、弁護士に相談すれば「そんな主張は通りません」と一蹴されるレベルの話なので、過度に不安になる必要はありません。
「懲戒解雇されるかも」は事実?噂?
次に多いのが、「勝手に辞めたら懲戒解雇になるんじゃ?」という心配です。
これもよくSNSで見かける“よくある誤解”のひとつです。
まず、懲戒解雇というのは「重大な規律違反をしたとき」に出される最も重い処分です。
たとえば横領、暴力、セクハラ、無断欠勤が長期に及んだなど、客観的に“悪質”と認定される行為があった場合に限られるんですね。
ですので、「退職代行を使って辞めただけ」で懲戒解雇にされるというのは、法律的にも極めて不自然です。
仮に会社側が感情的になって懲戒解雇を宣告しても、労働審判や裁判になれば無効にされる可能性が高いと多くの弁護士が解説しています。
ポイントは、「懲戒解雇」は企業にとってもリスクが高い措置なので、正当な理由がない限りは出してこないという事実です。
しかも、退職代行を使って辞めた場合は、適切に“退職の意思表示”をしているので、「無断欠勤」とも異なります。

したがって、この点も必要以上に怖がる必要はありません。
「内容証明が送られてきたらどうする?」正しい対応方法
ちょっと特殊なケースとして、「会社から内容証明が届いた」という声があります。
これは確かに怖いですよね。
筆者も一度「もし届いたらどうしよう」と不安で眠れない日がありました。
でも、ここも冷静に考えれば大丈夫です。
まず、「内容証明=法的効力がある」わけではありません。
内容証明とは、「誰がいつどんな内容の手紙を誰に送ったか」を郵便局が証明する仕組みであって、それ自体に“強制力”や“罰則”はありません。
中身としては、
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「◯月◯日までに出社しないと懲戒処分にします」
-
「◯円の損害賠償を検討しています」
といった文面が書かれていることがありますが、実際にそれで罰せられることはまずないです。
対応としては、内容証明が届いた時点で、弁護士に相談するのが一番安全です。

無料相談ができる法テラスや、退職代行と提携している法律事務所に見せれば、「これは脅し文句です」と明快に判断してくれます。
筆者が実際に直面した「法的リスクが怖い」の正体とは
最後に、ちょっとだけ私自身の経験を共有させて下さい。
私は数年前、ブラック企業を退職代行で辞めました。
本当に心が限界で、でも「このままじゃまずい」と思って依頼したんです。
でも、申し込んだ後、夜中に不安が押し寄せてきて、「訴えられたらどうしよう」「社会的に終わったかもしれない」って、ずっとスマホを握って眠れませんでした。
結局、何も起きませんでした。
会社からの連絡は一切なく、代行業者がすべてやり取りしてくれましたし、書類もちゃんと届きました。
あの不安は、今思えば「法律に詳しくない自分が勝手に想像した“怖い未来”」でした。
ネットで「訴えられるかも」「懲戒解雇されるかも」と書いてあると、どうしても信じてしまいそうになります。
でも、それって事実とは限りません。
むしろ、不安を煽ることでクリックを狙う記事だったり、誰かの怒りや感情をそのまま書いた投稿だったりすることが多いです。
だからこそ、今のあなたには「正しい知識」を知っておいてほしいんです。

怖いと感じるのは自然な感情ですが、そこに冷静な情報を足すことで、安心して前に進む準備ができるようになります。

法律家や労働専門家の見解を調べてみた
ここでは、退職代行を「法律的にどう捉えるか」について、実際に弁護士会・厚労省・報道機関がどんな見解を示しているのかをまとめました。
法律の話って堅苦しくて難しい印象があると思いますが、実はこの分野ではかなり明確に“線引き”がされています。
退職代行は、まだ比較的新しいサービスだからこそ、「違法っぽい」という印象が先行しがちですが、きちんと法的に整理すれば、正しい使い方をしている限りは何も問題ないというのが専門家たちの一致した認識です。
さらに、実際に退職代行を使った人たちが「弁護士さんのひと言で安心できた」「相談してよかった」と投稿している声も多数あります。

不安に感じている方にとって、プロの視点はとても大きな支えになりますので、ひとつずつ整理して見ていきましょう。
弁護士会の見解:退職代行は“違法ではない”
まず、日本弁護士連合会や各地域の弁護士会の見解では、退職代行そのものが「違法行為にあたるわけではない」と明言されています。
ポイントは、「内容による」という点です。
たとえば、日本弁護士会の見解では、
「退職代行サービスが退職の意思を伝えるだけであれば、法的に問題ない」
「ただし、有給の取得や損害賠償に関する交渉をする場合、それは非弁行為になる」
というように、“やっていいこととダメなことの境界”を明確に説明しているんですね。
実際に退職代行に関する法律相談も年々増えていますが、弁護士の多くが「サービスとしては合法。

ただし、グレーゾーンもあるので注意は必要」と冷静に評価しているのが現状です。
厚労省の立場:「退職の自由は保障されている」
次に、厚生労働省の立場です。
厚労省は、公式サイトやQ&A、労働基準監督署の相談窓口などで、繰り返し以下のような内容を伝えています。
「労働者は原則として、2週間の予告期間をもって自由に退職することができる」
「会社の許可や同意は不要」
つまり、退職する権利そのものは“法律で明確に保障”されているんです。
これは雇用形態に関係なく、正社員でも契約社員でもパートでも同じです。
また、退職に関して「代理人が意思を伝えること」も、違法ではないという認識が共有されています。
代行業者が「会社に辞める旨を伝える」だけなら、法律違反にあたらないと明記されている形ですね。

厚労省が運営する「働き方改革支援センター」でも、退職代行に関する個別相談が可能で、「まずは相談してみてください」というスタンスが見られます。
各メディア報道から見る、法的リスクの実情
テレビや新聞、Webメディアでも、退職代行についての報道はたびたび取り上げられています。
たとえばNHKや朝日新聞などの大手報道でも、
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「退職代行サービスを使った若者が増えている」
-
「労働問題を抱える人が最後に頼る“逃げ道”として注目されている」
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「法的な問題は“範囲を守れば”ほとんど起きていない」
といったトーンで紹介されていることが多いです。
Yahoo!ニュースやABEMA、プレジデントオンラインなどのビジネス系メディアでも、実際にサービスを使った人の声や、弁護士のコメントが掲載されています。
共通しているのは、
-
「違法かどうかはサービスの中身次第」
-
「弁護士や労働組合と連携していれば合法」
-
「誤解や偏見で“違法だ”と広まっているケースもある」
という点です。
つまり、報道機関も“慎重だけど否定はしていない”立場を取っていることが読み取れます。

それだけ、退職代行という仕組みが社会的に浸透しつつあり、法的にも“認知されてきている”という証拠ですね。
「法律OKなら使っていい」と背中を押された人たちの声
最後に、Xや知恵袋、掲示板で見つけた「専門家の言葉で安心できた」というユーザーの投稿をいくつか紹介します。
「最初は不安しかなかったけど、無料相談で“違法じゃないですよ”って言われて一気に気持ちが軽くなった」
「弁護士の人が“何か言われたらこっちが対応するから大丈夫”って言ってくれた。それでやっと踏み出せた」
「自分で調べたら、ちゃんと法律に基づいてるってわかって逆に安心できた。ネットの噂はあてにならない」
こういったリアルな声からも、「事実を知ることで気持ちが落ち着く」という効果があることがわかります。

怖いと感じたときほど、専門家の意見や信頼できる情報に触れることが大事なんですね。

退職代行を使う人の声|SNS・掲示板・体験談から見る本音
退職代行を使おうか悩んでいる方の中には
「法律的には問題ないって分かったけど…本当に使っていいのかな?」
と、理屈ではなく“気持ちの部分”で引っかかっている方も多いと思います。
ここではそんな方のために、SNSや掲示板に寄せられたリアルな声や、誰にも言えなかった退職の理由に焦点を当てて、表では語られにくい“本音の部分”を一緒に見ていきます。
どんなに制度や法律が整っていても、人が決断する時には「気持ちの折り合い」がついていないと前に進めません。
そんな時、他人のリアルな体験や本音のつぶやきは、驚くほど心に刺さるものです。

ここでは、筆者自身が集めた実例をもとに、誰にも見せたことのない「やめたいのに言えなかった声」を紹介していきます。

掲示板に寄せられるリアルな体験談まとめ
掲示板や知恵袋などでは、「退職代行を使った」という人の投稿がかなり増えています。
たとえば、以下のようなコメントがありました。
「朝になると吐き気が止まらなくて、出社できなくなった。でも会社に電話する気力もなくて…退職代行に頼んだら、2日後には全部終わってた」
「社長がすぐキレる人で、過去にも退職届を破られた人がいたから、自分では無理だと思った。代行を使って連絡が途絶えた時、初めて安心して泣けた」
「3年間耐えて働いたけど、もう限界だった。辞めたあと、自分を責めてたけど、今は“あの一歩がなかったら壊れてた”と思う」
こういった投稿は、法律論ではなく、感情や経験に根ざした“本当の退職理由”を物語っています。

多くの人が、「最初は後ろめたさがあったけど、結果的に頼んで良かった」と振り返っているのが印象的です。
「職場が怖すぎて退職代行しかなかった」という声
一部の職場環境は、すでに“話し合いで解決できる段階”を超えている場合もあります。
たとえばパワハラ、無理なシフト強要、LINEでの深夜連絡などがエスカレートして、精神的に追い込まれてしまった人たちはこう語っています。
「直属の上司が毎日怒鳴ってくる。会話がすべて“否定”から始まるのが怖くて、朝が来るのが地獄だった」
「退職を相談したら“お前が辞めたら他の人が迷惑する”って言われて、結局1年もズルズル我慢してしまった」
「人事に相談しても“あの人は昔からそうだから”で片付けられた。会社にはもう期待できないと思った」
こういった声に共通しているのは、「退職代行を使わなかったら辞められなかった」という切実さです。

本人の中では“逃げ”ではなく、“これしか方法がなかった”という究極の選択だったことが伝わってきます。

家族や友人に相談できなかった人の孤独と決断
退職代行を使う人の中には、身近な人にも相談できないほど追い込まれていた方も少なくありません。
掲示板には、こんな書き込みもありました。
「親に話したら“根性がない”って怒られそうで言えなかった。友達にも“ちょっと休めば?”って言われて終わると思った」
「誰にも相談できないまま毎晩泣いてた。SNSだけが唯一の逃げ場だった」
「退職代行のLINEで“もう無理です”って送信した瞬間、初めて自分の気持ちを誰かに伝えられた気がした」
誰にも頼れない孤独感の中で選んだ一つの道が“退職代行”だったという声は、とても重みがあります。

法律の話や社会的評価では語りきれない、「個人の尊厳や心の限界」がそこにあったことがわかります。

【匿名投稿紹介】誰にも言えなかった退職の理由とは?
最後に、あまり表には出てこない、でも確実に存在する「本当の理由」をいくつかご紹介します。
「トイレで泣くのが日課になってました。会社が怖いとか以前に、自分の心が壊れていく音が聞こえてました」
「業績は好調だったけど、社内の空気が常にピリピリしてて…誰もミスを許さない雰囲気がしんどかった」
「うつ病になって退職を切り出せる状態じゃなかった。家族にも“会社のせい”だと言えなかったから、代行しかなかった」
このような声は、どれも外からは見えにくい「退職の裏側」を映し出しています。
退職代行は、そうした声なき声をすくい上げてきたサービスでもあります。

「使う人は甘えてる」と切り捨てるのではなく、「ここまで我慢してきた人がやっと逃げられる手段」として受け止める社会の視点も必要ではないでしょうか。

まとめ|退職代行は違法じゃない。ただ“正しく使う”意識が大事
ここまで退職代行の法律面にフォーカスして丁寧に整理してきましたが、結論としてお伝えしたいのはとてもシンプルです。
退職代行サービス自体は違法なものではありません。
ただし、「どういうサービス内容か」「誰がどの範囲まで動くのか」をしっかり見極めて使う必要がある、というだけの話です。
SNSでは「違法らしいよ」といった憶測や噂が飛び交い、検索しても「違法かも?」という情報ばかりが上に出てくることもあります。
でも実際は、弁護士や厚労省、報道機関の情報を総合すると「退職代行というサービスそのものに違法性はない」という見解が共通しています。

要は、不安を煽る情報に惑わされないこと、正しい情報を元に判断することが大事なんです。
不安を煽る言説に惑わされず、事実ベースで判断しよう
ネット上には「損害賠償される」「懲戒解雇になる」など、刺激的なタイトルの記事や投稿がたくさんあります。
でもそれらの多くは、実際に起きたレアケースをあたかも“よくある話”のように書いていたり、事実ではなく感情的な主張が混ざっていたりするケースが目立ちます。
この記事で紹介してきたように、法的な根拠・専門家の見解・実際の利用者の体験を照らし合わせれば、本当に大切なのは「内容」ではなく「情報の信頼性」であることが分かります。

事実に基づいて冷静に考えれば、「正しく運営されている退職代行を選べば安心して使える」という結論にたどり着くはずです。
退職は“法律的な権利”であり、誰でも行使できる
日本の民法では、労働者に「辞める自由」があるとハッキリと明記されています。
それは、会社の許可を得る必要もなければ、理由を詳しく説明しなくてもいいレベルの、ごく基本的な権利です。
退職代行は、その権利を“自分では伝えられない状況にいる人”のために代わりに動いてくれるサービスです。
これは宅配や送迎と同じように、「伝達手段の代行」であり、違法でも特別な行為でもありません。
今の時代、精神的な不調やハラスメント、ブラックな職場環境で「辞めたいけど言えない」という人は本当にたくさんいます。

そうした方々にとって、退職代行は“退職する権利を使いやすくする道具”としてとても有効です。
正しく理解すれば、安心して使える社会的インフラになる
退職代行は、まだ新しいサービスだからこそ誤解されやすい側面があります。
でも、使い方と選び方さえ間違えなければ、社会にとって必要なインフラの一部だと筆者は感じています。
法律のラインを守って運営している業者も多く、実際に多くの人が「退職代行があったから助かった」と声を上げています。
これからは、使うことを恥じるのではなく、「こういう方法もあっていい」と受け入れられる社会の空気がもっと広がってほしいです。
退職という決断は人生の大きな分岐点です。
不安な気持ちを抱えるのは当然ですし、「使って大丈夫?」と悩むのも自然な反応です。

だからこそ、正確な情報と安心できる選択肢を持っておくことが、自分を守る力になります。
